2016.05.11
小規模多機能における看護の役割Vol.2
吹き抜ける風がなんとも心地よく感じる今日このごろ、いかがお過ごしでしょうか。
こんにちは、サンキ・ウエルビィ小規模多機能センター祇園の前田です。
サンキ・ウエルビィでは、通所やグループホームといった事業ごとにその専門性を高めるために会議や勉強会などを行なう『部会』というものがあります。
小規模多機能型居宅介護事業の部会の中で、「安心した在宅介護を支えるために看護力の発展・向上は不可欠」ということで、このたび看護師研修会が企画されました。
第2回目となる小規模多機能看護師研修、今回のテーマは「看取り」についてです。
看護師であり小規模多機能センター雲南の拠点長、また、本社の教育研修課の統括課長でもある深井を講師として登壇してもらい、1日かけての研修を行いました。
ターミナルケア(終末期の医療・看護)の基礎的な知識はもちろん、ご家族への対応についてや、共に働く職場の介護スタッフや主治医との連携の仕方について等、様々な視点から“看護師として、何をしていけばいいか”を整理していきました。
また看護師本人も、利用者さまの『死』について、どう向き合えば良いのか・・・という基盤となるところについても触れていきました。
自分の頭の中で考える「死のありよう」を、相手(利用者さま)に押し付けてはいけない。
「その人自身が望む死」について、しっかり考えなければいけない。
そして何より、看取り支援をするなかで専門職として一番大切にしなければならないのは、「生きるための支援」。
・利用者さまが過ごしやすいよう環境を整える。
・(もし施設での看取りであれば、)居室を再々訪問して、できるだけ誰かが傍にいる。
・たわいもない会話をする。
など、ご本人が安心して心穏やかに過ごせるような空間を作っていき、気持ちに寄り添うことが重要なのだ・・・という話がありました。
医療の側面から利用者さまを見るとき、ともすれば『患部の治癒』にばかり目が行ってしまいますが、介護の側面からケアをするのであれば、『その人の生活、人生』をまず見つめるべきなのだろうな、と感じました。
午後からは、実際に看取りをしたことのある事業所のスタッフに事例発表をしてもらい、その事例をもとにグループワークを実施。
その後の発表では、今までの経験と今回の研修で学んだことを自分たちの言葉でまとめていました。
介護現場の看護師という立場だからこそ、看取りに対して大きな不安とプレッシャーがあり、怖いとさえ思っていたという看護スタッフたち。
しかし今回の研修で看取り支援における専門職としての役割を自分たちで理解し、整理できたおかげで、向き合う自信や勇気が持てた、と発表をしてくれました。
他のグループの発表を聞くことで、また色々な視点を持つことが出来たらしく、「今まで凝り固まった考え方で仕事をしていたのが分かった。良い意味で肩の力が抜けた。」とアンケートでも感想が書かれていました。
住み慣れた地域・家で最期まで自分らしく生きたいと願う利用者さまを支えるために、サンキ・ウエルビィの専門職全員で「生きるための支援」に取り組んでいきたいと考えています。